『友だち幻想』を読んで感じたこと~人付き合いに疲れたあなたへ~

 

こんにちは、ニーナです。

 

今回は『友だち幻想』という本を読んで感じたことをお話していきたいと思います。

 

 

 

『友だち幻想』ってどんな本?

著者は社会学者の菅野仁さん。「学者さんだから専門用語が多いのかな……?」そう思う方もいるかもしれませんが、難しい専門用語は使われていないのでご安心を。

 

本が刊行されたのは2008年。

今から10年以上前の本ですが、世界一受けたい授業』(日本テレビ系)で又吉直樹さんが紹介した影響もあってか大きく売り上げをのばしています。

 

この本が多くの人に支持される理由、それは人付き合いに対して「無理しなくていいんだよ」と素の自分を受け入れてくれるような本だからかな、と思います。

 

人付き合いが上手くいかなければ、上手くいくように努力するのが普通でしょう。

 

しかし、この本で書かれているのはそういうことではありません。

 

この本では、人付き合いは上手くいかないのが前提として書かれています。

 

「一年生になったら」という歌に「友達100人できるかな」という歌詞がありますが、みんながみんな「友達100人できる」というわけではないのです。

 

現実では、友達100人できる人なんてなかなかいないのではないでしょうか。

 

もちろん、Twitterやインスタグラムなど、SNSのフォロワーは100人以上いる、という方はいらっしゃるでしょう。私もそのうちの一人です。

 

でも、よく考えてみてください。フォロワーは友達と呼べますか?

 

本当に仲が良く気が合う仲間というのは、実は私たちが思うより少ないのかもしれません。

 

そう考えると、一人でも友達がいるだけでラッキー!と思っておいた方がいいのかもしれませんね。

心に残った言葉

そういう偶然の集合体の中では、当然のことですが、気の合わない人間、あまり自分が好ましいと思わない人間とも出会います。そんな時に、そういう人たちとも「並存」「共在」できることが大切なのです。

引用元:菅野仁(2008年)『友だち幻想』株式会社筑摩書房(70頁)

著者は、「気に入らない相手とでも傷つけ合わず、空間をとりあえず共有できる作法を身につけることが大事」だと言っています。

 

これは、気に入らない相手だから無視するのではなく、同じ空間で適度な距離感を保つのが重要だということです。

 

逆に気に入らない相手と仲良くしようとすると、それだけで疲れてしまいます。なのでそういう相手とは、最低限の挨拶だけに関係をとどめておく、など近すぎず遠すぎずの関係が一番大切なのです。

単に「いじめはよくない、卑怯なことなんだよ」「みんな仲良く」という規範意識だけではいじめはなくなりません。そうではなくて、「自分の身の安全を守るために、他者の身の安全をも守る」という、実利主義的な考え方も、ある程度学校に導入したほうがよいのではないかと思います。

引用元:菅野(90頁)

いじめに対する著者の考えを読んで、私は「ああなるほどな」と納得しました。

 

「いじめはダメ!」と倫理的、道徳的な面から子供たちに教えるよりも、「誰かをいじめたら、自分もいじめられるリスクをともなうから、いじめはやめるべきだ」という風に教えたほうはが、教えられるほうも納得するのではないでしょうか。

 

「いじめはどうしたらなくなるのか」という問いに関しては、正解はないのかもしれません。

 

ただ、一度「いじめ」に関して一度真剣に考えてみて、自分なりの正解を見つけられるといいのかもしれませんね。

まとめ

この本を読んでいるとき、本から「人付き合いがんばれ!」ではなく、「人付き合いお疲れ様!」と言われているような気がしました。

 

今の時代、人付き合いに疲れてしまっている人も、そう少なくはないでしょう。

 

このブログが、そんな人の役に少しでも立てることを祈ります。

 

 

いかがだったでしょうか。

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